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老犬介護日記 19歳と10ヶ月

よく頑張ったね、ありがとう。

君は命の灯を燃やして、僕を守ってくれていたんだと思う。

僕は君に何度助けてもらっただろう。

僕は君が居なければ、間違いなく死んでいたと思う。

僕のたった一人の理解者であり、僕の無二の親友であった君に、
心から「ありがとう」を伝えたい。

ありがとう・・・

夕方からは発作が酷くなってきた。
苦しいと思う。
してあげれる事は、痛み止めを飲ませる事くらい。

最後は僕の手の中で眠らせてあげたい。
僕が彼にできる最後のこと。

私の睡眠時間は五日間で5時間30分という、初めての経験をする。
不思議と眠たくならないが、さすがに身体にはガタが来るようで、肩甲骨付近に激痛が走る。

Solの苦しさに比べれば、たいしたことはなく、発作の間隔が夜になるにつれて、
どんどん短くなる。

お世話になっている方から「わんちゃんは大丈夫?」とショートメールが届く。
なんとなく余裕ができて、Solに「ごめん、少し待ってて肩甲骨にロキソニン張って、痛み止め飲むから」と
いったん寝かす・・・

苦しくあえぐSolにしてあげられる事は抱きしめて、
「大丈夫、僕がついているから、最後まで側に居るから」と伝えてあげる事だけ。

発作後は必ず、このように舌が出てしまう。
かわいそうだけれど、何もしてあげられない。

ふと・・・
「Sol舌出てるよ」と。
なぜこのような言葉が出たかというと、昔からたまにぺろっと舌が出ている事があり、
よく「舌が出てる」と舌をつまむ事があり、ふと思い出して。

Solも思い出したのか、時間が止まったように「ペロっとして舌をしまう」。
苦しいはずなのに、今思い出すと不思議な光景だったと思う。

発作を繰り返す。

僕の手に抱えたSolは必死だった。
僕の右手は心臓に添え鼓動を感じ、左手は頭を支える。

早かった心臓の鼓動はだんだんと遅くなり、そして呼吸と鼓動が止まった。
2018年3月18日 午前2時15分 19歳と10ヶ月

ありがとう。

ただただ涙があふれてくる。
それから色んな思い出があふれてくる。

ありがとう。

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